人生初のバイトで出会った不思議な常連さんたち②

エントリーNo.2 順番に食べてたのに、、、

ある朝、おじいちゃんが一人でやってきた。とても、優しい笑顔で

「おはよう」と。

いつも、余裕の一切ない私もこの時ばかりは、ほっと暖かい気持ちになった。

しかし、メニューを見た途端、おじいちゃんが困り顔に!

「うーん、これは困ったなあ。どれやったかなー。」と、独り言をつぶやきはじめた。

私が声をかけると、

「メニューの配置変わったかあ?」と。

実は、その日から手元のメニュー表が新しくなり、写真の配置が変わっていた。

「左上から、順番に頼んでたからなあ。どこまで、食べたかわからんようになってしもたなあ。」

可愛い。最初の素敵なあいさつに心をつかまれていた私は、心の中でそう思ってしまった。

バーガー?ホットドック?それとも、パンケーキ?

なんとしてでも、このおじいいちゃんが次に食べるべきものを見つけてあげなくては!

なぜか、こんな使命感に駆られてしましった。

一緒に悩むこと数分。

「もう一回、左上からやりなおすわ。」とおじいちゃん。

レジから一番近いカウンター席に腰掛け、わざわざ体をレジの方へ向けてうれしそうにマフィンを頬張るおじいちゃん。

食後は、自分のトレーとゴミ箱の上に重ねられた他のトレーを重ねて、レジまで運んでくれた。そして、

「ごちそうさまでした。」と。

ちょっと、ドヤ顔をしながら、ありがとうを待っているところが、また、一段と愛おしく見えた。

今度こそ、コンプリートしてくれ!っと心から祈る私であった。